“Evaluate the strategic position”「戦略的な立ち位置を評価せよ」が出たら、SWOTが候補になる。
「ブランドは強い。でもシステムが古い。市場には追い風がある。でも競合も増えている」。
こうした情報を、会社の内側と外側に分けて整理するのがSWOTだ。ACCAも、strategic positionを問う設問で、強み・弱み・機会・脅威を検討する使い方を示している。ACCA公式解説
これはSBLで一番有名なモデルと言っても過言ではない。
どんな設問で使う?
例えば、次のような問われ方。
Evaluate the company’s current strategic position.
会社の現在の戦略的な立ち位置を評価せよ。
Assess whether the company is well positioned to exploit opportunities in the market.
会社が市場の機会を活かせる立場にあるか評価せよ。
4項目に情報を振り分けるだけでなく、その会社が機会を活かし、脅威に対応できる状態かまで考えたい。
覚え方は「SWは内側、OTは外側」
| 項目 | 問題文の材料 → 答案で書きたい意味 |
|---|---|
| Strengths:強み/内部 | 顧客の信頼が厚く、リピート率も高い。→ 新商品を既存顧客に販売しやすい。Customer loyalty could support sales of the new product range. |
| Weaknesses:弱み/内部 | 注文処理が手作業で、繁忙期にはミスが多い。→ 販売を増やしても処理が追いつかない。Manual order processing could constrain growth and increase errors. |
| Opportunities:機会/外部 | 自社が対応できる分野で、環境配慮型商品の需要が拡大。→ 新たな売上獲得の余地がある。Growing demand for sustainable products could create new revenue opportunities. |
| Threats:脅威/外部 | 低価格の海外企業が市場に参入。→ 顧客流出や値下げ圧力が生じる。Low-cost entrants could take market share and put pressure on prices. |
例えば、「オンライン市場が成長している」はOpportunity。「自社のECシステムが優れている」はStrength。 外部の追い風と、それを活かす自社の能力を分ける。
PESTELやFive Forcesで見つけた外部要因は、O・Tを考える材料になる。
箇条書きの仕分けで終わらない
「強み:ブランド」「弱み:IT」と並べるだけでは、立ち位置が伝わらない。
The company’s trusted brand could help it capture growing online demand. However, its outdated ordering system may prevent it from handling higher sales volumes reliably.
信頼されたブランドは、拡大するオンライン需要を取り込む助けになる。一方、古い受注システムが、販売量の増加に安定して対応するうえで障害となる可能性がある。
強みを機会につなげられるか。弱みが足を引っ張らないか。 こうした関係まで書くと、高評価になりやすい。
派生形のTOWS—SO・WO・ST・WTで提案する
SWOTには、各要素を組み合わせて戦略を考える TOWS Matrix(クロスSWOT)という使い方もある。
SWOTで整理した後に、「では、何をするべきか?」へ進むための考え方だ。ACCAのモデル活用解説
| 組み合わせ | 考え方 | 提案の具体例 |
|---|---|---|
| SO:Strengths × Opportunities | 強みを使って、機会をつかむ | 信頼されるブランドを活かし、需要が伸びる環境配慮型商品を販売する。Use the trusted brand to launch sustainable products. |
| WO:Weaknesses × Opportunities | 機会を活かすため、弱みを補う | オンライン需要を取り込むため、古い受注システムを更新する。Upgrade the ordering system to capture growing online demand. |
| ST:Strengths × Threats | 強みを使って、脅威に対抗する | 低価格の競合に対し、優れたアフターサービスで顧客を維持する。Use superior after-sales service to retain customers against low-cost competitors. |
| WT:Weaknesses × Threats | 弱みと脅威が重なる部分のリスクを抑える | 資金不足の中で価格競争が激化しているなら、採算の悪い店舗を縮小して資金を守る。Scale back unprofitable outlets to preserve cash amid intense price competition. |
覚えるなら、SO=活かす、WO=補う、ST=対抗する、WT=守る。
例えば、次のように提案まで求められた場面で使いやすい。
Evaluate the company’s strategic position and recommend appropriate strategic responses.
会社の戦略的な立ち位置を評価し、適切な戦略的対応を提案せよ。
答案で必ず「SO戦略」「WO戦略」と書く必要はない。4パターンを全部埋める必要もない。内部の強み・弱みと、外部の機会・脅威を結びつけ、会社に合う提案をすることが大切だ。
でも実際に試験に出る可能性は高くない気がする。
資料にPESTELがあっても、書き直すだけでは足りない
資料にPESTEL分析があると、その項目に沿って答えたくなる。
ただ、設問が会社の strategic position を聞いているなら、自社の人材・資金・ブランド・設備なども確認したい。外部環境の説明だけでは、内部の強み・弱みが抜けてしまう。ACCA公式解説
SWOTは情報の整理棚。その情報が会社にとって何を意味するかまで書き、提案を求められたらTOWSの発想でつなげる。 この使い方を覚えておきたい。


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