“Macro-environment”「マクロ環境」や “External drivers of change”「変化をもたらす外部要因」が出たら、PESTELを思い出そう。
金利が上がる、規制が厳しくなる、消費者の好みが変わる。「会社が頑張るだけでは、どうにもならない変化」を整理するモデルだ。これは有名なので、大学で習った人も多いかもしれない。
ただ、試験では「インフレが進んでいる」と書くだけでは足りない。その変化によって、この会社の売上・コスト・戦略に何が起こるかまで考えたい。
どんな設問で使う?
例えば、次のような問われ方。
Evaluate how changes in the macro-environment could affect the company’s future performance.
マクロ環境の変化が、会社の将来の業績にどのような影響を与えるか評価せよ。
Assess the external drivers of change and their implications for the company’s strategy.
変化をもたらす外部要因と、会社の戦略への影響を評価せよ。
後者のような設問は範囲が広いため、PESTELだけでなく、競争環境の論点もないか確認したい。
6項目と、答案へのつなげ方
覚え方は、そのまま P・E・S・T・E・L。
| 項目 | 問題文の材料 → 答案で書きたい影響 |
|---|---|
| Political:政治・政策 | 政府が設備投資への補助金を導入。→ 対象となる会社は、初期投資の負担を軽減できる。Government grants could reduce the initial investment required. |
| Economic:経済 | 金利が上昇し、会社は変動金利の借入に依存。→ 利払いが増え、事業拡大に回せる資金が減る。Higher interest costs could reduce cash available for expansion. |
| Social:社会・消費者の変化 | 健康志向が強まる一方、主力商品は高糖質。→ 既存商品の需要が減る可能性がある。Growing health awareness could reduce demand for the existing product range. |
| Technological:技術 | 業界で自動化が進むが、自社は手作業中心。→ 競合とのコスト差が広がる。Competitors’ automation could place the company at a cost disadvantage. |
| Environmental:自然環境 | 干ばつが増え、生産には大量の水が必要。→ 生産停止や調達費上昇につながる。Water shortages could disrupt production and increase costs. |
| Legal:法律・規制 | 個人情報保護規制が強化。→ データ管理の見直しや追加費用が必要になる。Stricter data protection rules could require additional spending on compliance. |
これらは連想用の例。実際には、問題文にある事実と会社の状況を結びつけて使う。
「Environment」で配点が大きいなら、Five Forcesも考える
使い分けは、次のように整理すると分かりやすい。
- PESTEL:マクロ環境—経済、政策、社会など、世の中の大きな変化。
- Five Forces:ミクロ環境のうち業界・競争環境—競合、顧客、供給者などとの関係。
どちらもExternal environment(外部環境)の分析だ。自社の人材や資金、業務プロセスなどを見るInternal environmentとは区別する。
設問が広く “Evaluate the external environment” と聞いていて、配点も大きい(20点以上が目安)なら、PESTELとFive Forcesの両方に材料がないかを確認したい。ACCAも、外部環境の分析に両モデルを使う考え方を示している。ACCA公式解説
ただし、配点だけで使用モデルを決めるわけではない。マクロ環境に限定された設問なら、その範囲で分析する。
答案は「変化 → 会社の事情 → 影響」
例えば、原材料価格が上がり、会社には固定価格の長期契約が多い場合。
Rising input costs may squeeze margins because the company cannot immediately pass these increases on to customers under its fixed-price contracts.
原材料費が上がっても、固定価格契約のためすぐに値上げできず、利益率が圧迫される可能性がある。
ここまで書けば、世の中の説明から、その会社の分析になる。
分類に悩みすぎない
環境規制をEnvironmentalに入れるか、Legalに入れるか。税制変更をPoliticalに入れるか、Economicに入れるか偶に迷うことがある。
ここで時間を使いすぎる必要はない。分類よりも、その会社への影響を説明することが大切だ。同じ内容を複数の項目で繰り返すのも避けたい。
6項目すべてに材料があるとは限らない。問題文に根拠がある項目を使い、機会と脅威の両方を見る。技術革新も、コスト増の原因になる一方で、新しいサービスを生む機会になり得る。


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