ACCAを始めるとき、気になるのは「結局、いくらかかるのか」ということだと思う。
費用は、大きく分けると受験料・年会費と、勉強に使う教材・講座代の2つになる。
費用を考えるうえで伝えたいのは、最初から高額な講座を全部そろえる必要はない、ということだ。ACCAには無料で使える教材や動画が多い。まずはそれを試して、足りないところにお金を使う方法もある。
今回は、受験料から教材・講座代まで、日本円で整理してみた。最後に、英語強者・タイパ優先・コスパ優先の3パターンで、私ならどう勉強するかもまとめる。
まず、費用計算の前提
この記事では、次の条件で計算している。
- 2026年9月に確認した公開料金を使用
- 1ポンド=200円、1米ドル=150円で換算
- 現行の13科目を、免除・再受験なしで合格
- Student年会費を3回支払う想定
- 試験は通常の申込期間内に申し込む
送料、交通・宿泊費、決済手数料、追加の税金などは含めていない。
また、ACCAは2027年から新制度へ移行する。この記事は現行制度と料金で費用感を比べるための試算であり、これから始める人の3年間の請求額を保証するものではない。ACCA公式:新制度への移行
受験料と年会費で、どれくらいかかる?
まず、勉強方法にかかわらず必要になる費用から見ていく。
| 項目 | 日本円換算 | 今回の計算 |
|---|---|---|
| 初回登録料 | 17,800円 | 1回 |
| Student年会費 | 年28,000円 | 3回で84,000円 |
| BT・MA・FA・LW | 会場などにより異なる | 4科目で120,000円を仮置き |
| PM・TX・FR・AA・FM | 1科目32,000円 | 5科目で160,000円 |
| SBL | 56,400円 | 1科目 |
| SBR | 41,600円 | 1科目 |
| 上級選択科目 | 1科目41,600円 | 2科目で83,200円 |
| EPSM〈倫理・職業スキルのモジュール〉 | 16,600円 | 1回 |
| 合計 | 579,600円 |
通常試験の料金は、公式ページに掲載された2026年12月の料金を使っている。実際の金額は受験国・地域によって確認が必要だ。ACCA公式料金
ここで注意したいのが、BT・MA・FAとLW。これらはオンデマンド試験で、会場受験の料金は会場側が設定する。今回の1科目3万円は、計算用の仮定だ。利用する会場の料金に置き換えてほしい。ACCA公式:オンデマンド試験
この条件なら、教材代を加える前に約58万円かかる計算になる。
科目免除があれば計算は変わる。ただし、免除にも通常は手数料がかかる(意外と高い)ので、「受験しない科目は全部無料」というわけではない。
受験料は値上げにも注意
受験料は、ずっと同じ金額ではない。
ACCAは過去から値上げを繰り返している。2021年12月には4.8%の値上げを公式に案内しており、2026年にも9月試験からの値上げが報じられている。ACCA公式の案内
そのため、今年の受験料で、数年後まで受験できるとは考えないほうがよい。
日本円で払う場合は、為替も影響する。同じ£200でも、1ポンド200円なら4万円、220円なら4万4,000円だ。昨今の円安は日本人受験者にとっては向かい風だ…
学習期間が延びれば年会費も増える。教材を少し安く買うことだけでなく、無理のない計画・信頼できる情報で合格を積み重ねることも、費用対策として考えよう。
合格後にも費用はかかる
もう一つ、試験合格とACCA Memberになることは分けて考えたい。
正会員になるには、試験やEPSMに加え、36か月の関連実務経験などの要件を満たす必要がある。ACCA公式:実務経験の案内
| 項目 | 日本円換算 |
|---|---|
| Member入会料 | 65,200円 |
| Member年会費 | 年65,200円 |
| Affiliate年会費〈最初の3年間〉 | 年32,600円 |
| Affiliateとして3年経過後の年会費 | 年65,200円 |
出典:ACCA公式料金
今回の約58万円にMember入会料を加えると、約64.5万円+教材・講座代になる。Member年会費や、入会までの間に発生するAffiliate年会費は別途必要だ。
教材・講座代は、選び方でかなり変わる
ここからは勉強に使うお金だ。
無料教材で進める人と、各科目の有料講座を使う人では、総額に大きな差が出る。
| 教材・サービス | 日本円での価格例 |
|---|---|
| OpenTuition | 無料 |
| aCOWtancyの無料テキスト・ノートなど | 無料 |
| ACCA公式Study Hub | 登録学生は追加教材費なし |
| YouTubeの無料公開動画 | 無料 |
| BPP教材 | 商品一覧では約3,900〜14,800円。単品・セットが混在 |
| Kaplanの紙教材 | 確認例ではテキスト約8,400〜9,600円、問題集約5,000〜6,000円/冊 |
| aCOWtancy Premium | 約40,350円/科目 |
| aCOWtancy Ultra〈個別フィードバック付き〉 | 約50,700円/科目 |
| Kaplan OnDemandサブスク | 月14,100円、3か月34,350円、年120,450円 |
| BPP英語オンライン講座 | 基礎科目の例で1科目92,000円〜 |
| 日本語講座 | 要見積 |
価格は科目、対象年度、販売地域、教材形式などによって変わる。上の表は、各サービスで確認できた価格例だ。
出典:OpenTuition、aCOWtancy、ACCA Study Hub、BPP教材、Kaplan基礎教材、Kaplan SBR教材、Kaplanサブスク、BPP講座
BPPやKaplanは、「本だけ買う」のか「講座を受ける」のかで費用が違う。独学なら、問題集だけ購入する方法もある。
また、紙の本は海外送料が高い。基本的にUKから届く。私なら、本体価格だけでなく、送料込みの金額で電子版や国内の中古本と比較する。
ちなみにKaplanOnlineでは11月頃からブラックフライデーセールをやる。この時期は紙の教材が3割引きくらいだった気がする。
日本語講座の例としては、Reiwa Accounting Schoolが日本語教材・講義・コーチングを案内しているようだ。
もちろん、私のサイトの情報も大いに利用してもらって構わない。
YouTubeは、科目ごとに合う先生を探す
私がYouTubeでおすすめしたいのは、科目ごとに、その科目を得意とする先生の無料動画を探すことだ。
もちろん、ACCA公式の動画も使える。論点解説や試験対策の動画が公開されている。ACCA公式YouTubeの案内
それに加えて、「SBLはこの先生」「SBRはこの先生」というように、自分に合う先生を見つけておくと勉強しやすいと思う。元ACCAの科目コーチだったような人が専門コースを用意していたりする。一つのスクールや先生で、全科目をそろえる必要はない。
まずは無料動画を一本見て、説明が分かりやすいか、英語が聞き取りやすいかを確かめる。問題解説なら、答案の作り方まで説明してくれるかも見たい。(ACCAはインド系受験者が多く、インド英語の教材も相応にして多い。インド英語に慣れていないと結構大変かもしれない。)
私は、OpenTuition、aCOWtancyの無料テキスト、Kaplanの問題集(テキストではない)を主軸にして、分からない論点や、解き方がつかめない問題を、その先生の無料動画で補って勉強させていただいた。
ただ、動画を見るだけでは、自分で解けるか分からない。問題を解き、答案を書き、解説と比べるところまで進めたい。古い動画は、対象年度や試験形式にも注意する。
コスパ派なら、無料教材+必要な問題集
私なら、費用を抑える場合は次の組み合わせから始める。
- OpenTuitionの講義で理解する。
- aCOWtancyの無料テキストで分からない部分を確認する。
- 公式Study Hubや公式問題で知識と解き方を確かめる。
- 必要に応じて、YouTubeの講師の無料動画で補う。
- 演習が足りない科目だけ、BPP・Kaplanの問題集を買う。
全部を最初から最後まで使う必要はない。主教材を一つ決め、ほかは補助として使う。
OpenTuition自身も、講義に加えて認定出版社の問題集で練習することを勧めている。無料教材を使う場合でも、問題演習はしっかり確保したい。OpenTuitionの学習方法
中古教材は、安さと対象年度をセットで見る
紙で勉強したい人には、中古のテキストや問題集も候補になる。
ただし、TX・ATXの税制や、FR・SBRの会計基準などは改訂の影響を受ける。安いからという理由だけで、古い版を買うのは避けたい。
中古本を使うなら最新シラバスと照合し、必要な変更点を補う。電子版やオンライン教材の利用権まで付いてくるとは限らない点も確認する。
私なら、改訂の影響が大きい科目や、苦手科目の問題集にはお金を使う。教材代を節約しても、演習不足で再受験になれば費用が増えてしまうからだ。
私ならこう選ぶ:3つの勉強法と総額
最後に、今回の基本費用579,600円を土台に、勉強法ごとの予算を比べてみる。
| タイプ | 私なら選ぶ勉強法 | 教材・講座代 | 試験・EPSM完了まで | Member入会料込み |
|---|---|---|---|---|
| 英語強者 | 公式教材+新品問題集。無料動画は必要なところだけ | 8〜15万円 | 約66〜73万円 | 約72〜79万円 |
| タイパ優先 | Kaplan OnDemandを主教材にする。年額契約を3回使う想定 | 36万円~ | 約94万円 | 約101万円 |
| コスパ優先 | 無料教材・YouTube+必要な中古・新品教材 | 2〜6万円 | 約60〜64万円 | 約66〜70万円 |
※英語強者・コスパ派の教材代は購入予算の目安であり、セット商品の販売価格や中古市場の相場ではない。Member年会費、Affiliateとしての待機期間、将来の値上げ、再受験、送料などは別途。
英語強者なら、問題演習に早めに進む。
英文を読んで理解できるなら、講義を全部見ることにはこだわらない。分からない部分だけ動画で補い、問題を解く時間を増やす。
タイパ優先なら、主教材を一本化する。
教材探しや学習順序で迷う時間を減らしたい。記述式答案の改善点が分からなければ、添削や個別フィードバックも検討する。英語の理解に時間がかかる人なら、日本語講座も比較候補になる。
コスパ優先なら、無料を土台にして必要なところだけ買う。
OpenTuition、aCOWtancyの無料部分、公式教材、YouTubeを使い、紙の教材は必要な分だけ追加する。買う場合はセールやクーポン、中古を狙う。
私なら、最初から全科目分を買い込まず、まず1科目で自分に合う方法を探す。理解に困ったら講義、演習が足りなければ問題集、答案の弱点が分からなければ添削。そんな順番でお金を使いたい。


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