SBRの勉強は、まず会計基準を一通り学び、動画で問題の解き方を見て、その後は問題演習を中心に進める方法をおすすめする。
SBRはIFRSと非常にリンクした試験内容となる。そのため、土台となるIFRSの知識を先にしっかり整理しておきたい。
ただし、テキストを何周も読み込み、すべて覚えてから過去問に進む必要はない。「基準を知っている」と「問題に答えられる」は別だからだ。
おすすめする流れは、次の3段階になる。
| 段階 | やること |
|---|---|
| ① IFRSの基礎を一周(または二周)する | テキストやオンライン教材で、基準の全体像をつかむ |
| ② SBRでの解き方を見る | 解説動画で、問題の読み方と答案の作り方を学ぶ |
| ③ 自分でSBR問題を解く | 過去問・問題演習を繰り返し、書けなかった部分を補う |
まずは、テキストなどで一周する
SBRでは、最初にIFRS基準の基本的な考え方を押さえることをおすすめする。
例えば、収益をいつ認識するのか、リース負債をどう計算するのか、買収時ののれんに何を含めるのか。こうした土台がないまま過去問を解こうとすると、解説を読んでも理解しにくい。
教材は、BPPやKaplanのテキスト、aCOWtancy、ACCA公式のStudy Hubなどから、読み進めやすいものを1つ軸にすればよい。
aCOWtancyには無料のテキストなどがあり、ACCA Study HubもSBRの学習に利用できる。
一周目では、細かい例外まで完璧に覚えようとしなくてよい。
「この基準は何を扱っているか」「どのような条件で認識するか」「金額をどう測るか」を確認し、簡単な計算例を追ってみる。分からない箇所は印を付けて、先に進もう。
各章の確認問題は、この段階から解いて構わない。基準を読みながら短い問題に触れると、何を理解しておく必要があるのかも見えやすくなる。
IFRSが難しければ、日本語で理解してから英語に戻る
英語のテキストを読んでいて、英語が分からないのか、会計処理が分からないのか、自分でも判断しにくくなることがある。
その場合は、先に日本語で理解する方法をおすすめする。
日本語の教材では、橋本尚・山田善隆 著『IFRS会計学基本テキスト〈第8版〉』(中央経済社)も選択肢になる。私自身も購入した本で、IFRSの基本的な考え方や主要な基準を、一通り学ぶために使える。出版社の紹介ページ
当サイトのIFRS解説も、分からない論点を日本語で確認する入口として活用してほしい。
例えば、のれんの計算なら、先に図と日本語で「何を足し、何を引いているのか」を理解する。その後で、Goodwill、Consideration transferred、NCIといった英語を結び付ければよい。
大切なのは、日本語で理解した後に、英語の教材へ戻ることだ。
日本語で理解する → 英語の用語を確認する → 英語で問題を解く。
この順番で進めれば、難しい会計処理と英語を、一度に理解しようとしなくて済む。日本語教材は理解の補助として使い、出題範囲は受験期に対応した公式シラバスや教材で確認しておこう。
Tom Clendon氏やACCA公式の動画で、解き方を見る
基準を一通り学んだら、問題解説の動画を何本か見てみよう。
SBRでは、Tom Clendon氏の動画も強くおすすめしたい。SBRを専門に教える講師で、Kaplanでの指導経験もある。以前はACCA公式の解説動画にも出ていた。現在は自身で解説スクールを運営されているようだ。Tom Clendon公式サイト
YouTubeは、本人の公式リンク集からアクセスできる。ACCA公式の試験対策動画や問題解説も活用したい。
ここで見るべきなのは、基準の説明だけではない。
- 問題文のどこに注目しているか。
- どの基準を使うと判断したか。
- 何を計算し、何を文章で説明しているか。
特に、計算の後にどのような説明を加えているかを見ておくと、自分が答案を書くときの参考になる。
途中で動画を止めて、「この後は何を書くか」を考えてから続きを見るのもよい。解説を聞いて納得するだけでなく、自分の考え方との違いを確認できる。
動画をすべて見終える必要はない。解き方のイメージがつかめたら、自分で問題を解く段階へ進もう。
ここからは、問題演習が中心
SBRの勉強では、基礎を一周した後の問題演習に、しっかり時間を使いたい。
ACCAも、SBRでは知識を問題の状況に当てはめる力を重視しており、IFRSの説明を暗記して再現するだけでは十分でないとしている。ACCA:Examiner’s approach
例えば、のれんの計算式を覚えていても、問題文に書かれた費用を取得対価に含めるべきか判断できなければ、正しく計算できない。さらに、その理由を問われれば、文章でも説明する必要がある。
答案を書くときは、次の流れを意識すると整理しやすい。
基準の考え方 → 問題文への当てはめ → 会計処理と金額への影響
「基準ではこうなっている」で終わらず、「この問題では、この事実があるから、この処理になる」まで書く。
最初は、1回分の過去問を通して解かなくてもよい。1つの設問や、その一部分から始めればよい。
ただし、問題を読んですぐに解答を見ることばかりにならないようにしたい。短くても、自分で答案を作ってから解説と比べることをおすすめする。
お金をかけずに添削してもらいたいなら、OpentuitionのAI採点をここでも利用できる。革命的なサイトであるので別の記事で改めて紹介したい。
終盤では、時間を計って英語で解く
解き方が分かってきたら、時間を区切って問題を解く練習を増やす。
ACCA Practice Platformでは、問題を解き、採点資料と照らし合わせて振り返ることができる。答案の入力やスプレッドシートの操作も含めて慣れておきたい。ACCA:Past exams and question practice
読むだけなら分かる問題でも、時間内に英語で書こうとすると止まることがある。この差は、実際に書いてみないと分からない。
演習では、1つの問題を完璧に仕上げることだけでなく、時間内に次の問題へ進む練習もしておこう。
古い過去問や動画を使う場合は、基準や出題形式の変更に注意し、受験期に対応した教材を優先したい。
SBRは、理解した知識を答案に変える練習をする
SBRでは、最初に会計基準の土台を作ることが大切だ。しかし、IFRSを一通り覚えたところが勉強の終わりではない。
日本語も使って基準を理解し、動画で解き方を学び、その後は自分で問題を解く。書けなかった部分だけ教材に戻り、もう一度答案にする。
基礎を一周したら、勉強の中心を「読むこと」から「問題を解き、説明を書くこと」へ移していこう。


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